第81回アカデミー賞ー外国語賞受賞で話題になった『おくりびと』
遅ればせながらですが先日やっと上映延期で観てきました。
世界に認められた誇るべき日本の映画作品ですからね。
実は邦画だし、DVDになってから観ようかなって思ってました。
でも世界に誇るべき日本の作品を日本人が知らないなんて…。それに
映画好きでありながら、こういうトレンド性にも遅れをとるのもやだし。
個人的にはしばらくみたくないなぁ、と思うタイミングで困惑しながら。
『ひとは誰しもいつかはおくられびと』
映画中に出てくる言葉です。
たまに生と死を考える場面に出くわした時。
宗教って…なんて考える事ありません?
無宗教に育った自分はお葬式となれば念仏を唱え、結婚式ともなればアーメン。
世界を旅する度に感じる自分の無宗教さに寂しさも覚えたり。
お別れの時は特に粗相の無いようにと、ご焼香や礼の回ばかりが気になって。
心からこの人をおくっているんだろうかと、自分に問いかけたり。
昨今の坊さんがよくこういうのを耳にして安心します。
今の時代。こうでなければならないと言う決まりはない。
宗教だ。 と固く考えないで下さい。と。
先日、東京で大変お世話になってきたおじさんの葬儀に出席した。
映画を見る前であったがこの時に おくりびと とはと考えた。
静粛に、厳かに、乱さず、と思ってきた自分が、
親族一同の送り方に感動を覚えたんです。
最後に棺桶の中に、
旅行が大好きだったおじさんにパンフレットや旅行の思い出を。
親戚一同で色紙に書いた寄せ書きを。
奥さん(おばさん)がしたためた手紙を。
そして最後に大好きだった日本酒を全身にかけたんです。
これからの長い旅にと…。
頭の固い自分は最初ちょっとビックリしました。
そして、良いな〜こういう送り方って…。
その人ならこれを喜んでくれるって分かってる人達がおくるからこそできる事なんだと。
そして、心底その人の旅立ちを思って送り出すんだと。
映画の中にもそれにそぐう場面が登場します。
おばあさんにルーズソックスをはかせてあげたり。
生前使っていた化粧道具でキレイに化粧したり。
女性達が口紅タップリの唇でキスマークを顔に残したり(笑)
送り方は十人十色あって良いのかなと。
それもその人の人生を表すのかなと。
昔、祖父に 鰯の頭も信心から を教えられた事を思い出します。
人は弱い。だから神だの仏だの、偶像崇拝に頼る。
でも信仰心は対象物が何であってもかまわない。
だから いわしの頭でもいいんだぞ、と。
そのくらいのもんだ、宗教とは。 難しく考えるなと。
礼儀作法、礼節、常識、ルール。日本人の大切にしてきた文化。
でもそれによってがんじがらめになり、心が縛られては本末転倒。
ある程度のルールの中で自分の思う心の表現の仕方に縛りは無いし。
そんな事を考えちゃいました。
祝い方、惜しみ方。それは人それぞれその人を思う気持ちから生まれる物。
決して誰かに強要されるものではないんだと。
実は悲しいことに人生の半分以上の18年間を共にした、
ブログでも何回か登場していた、
我が家の『チェリー』が天国に逝きました。
老衰ですが、18歳は大往生です。
なかなか、ブログにも書き辛い内容ではあるけども。
しっかりとおくってやれたかな…。
天国への旅路。今頃軽快なステップで走ってくれてると思います。
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